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結局家のカギは部屋の机の上に置きっぱなしだった。
落としたわけじゃなくて一安心だけど、人騒がせなヤツだな自分!!
「ねえ。キョウくん。……これって、浮気かなあ」
深夜、眠れないわたしは
ベッドで一人推しのぬいぐるみに話しかける危ないヤツになっていた。
いやこれが普段のわたしだ。
「どうしよう。三次元男子に、めちゃくちゃときめいちゃった~!」
つい、思い出しちゃう。
ハルキさんの……背中。
うしろから、手をまわしちゃった。
「ああぁあああ!」
ジタバタしていると、ベッドから何かが落下。
「ああっ」
スマホが転がったんだ。
壊れてないよね?
……セーフ。
電源ボタンで反応するし画面も割れてないしタップできる。