ハルキさんて、もしかして わたしをドキドキさせる天才かな。 どうしよう。 このままずっと一緒にいられたらな、とか頭のすみっこで考えちゃう。 そんなこと無理に決まってるのに。 いつもならそろそろ眠気が襲ってくる頃なのに、ものすごく、さえてる。 「ヒナタ」 「はいっ」 「このままヒナタのこと――さらっちまえたらいいのにな」 風の音でハルキさんの声がよく聞こえない。 「な、なんて言いました?」 「なんでもねえよ」