「ガチで分かんのかよ......」

「え、嘘ついてるって思ってたの?」



 奇打は俺らを見て、ふふっと笑う。

 ......笑う要素あったか?

 そう思うのに、笑う彼女から目が離せなくなる。

 ...俺今日、いったいどうしたんだよっ......。

 

「......なんでわかんの?」



 さーが、奇打に聞いた。

 奇打がそれに答える。



「え? だって、声の高さとか......雰囲気(ふんいき)とか、違うし」



 声の高さ?

 雰囲気?

 そんなん、俺らでさえわかんない。



「なんかあるでしょ、2人とも」



 奇打がふいにそう言って、何言ってんだこいつ、と思ってしまった。

 なんか?

 2人とも?

 わけわかんねー。