食堂から教室へ帰る途中。

 俺はさーに話しかけた。



「さー。あいつ、どうする?」

「っつーか、あれあてずっぽうじゃないの?」



 俺らはそのままあいつを見た。

 さっき、俺らのこと言い当ててたけど..................。

 どうしても、ほんとだと思えない。

 あー、なんなんだよっ......!

 めんど!

 

「なあ、試してみるか?」



 さーがそう言って、俺は目を見開いた。



「試す......?」

「あぁ、だって本当だとは思えないだろ」



 そう言われて、納得した。

 でも、俺の中で一つの疑問が生まれる。

 さーがこんなこと提案するなんて、珍しい。

 さーも、............思っていたのか。

 本当であってほしいって。

 奇打が俺らの名前を当てたのが、あてずっぽうじゃなくってほしいって。

 

「ああ」



 俺は、さーにそう返事した。

 さーがこくんとうなずく。



「「やる価値ばっちりだ」」



 俺らは前を歩いている陽詩と奇打を見つめて、俺らにしか聞こえないくらいの大きさで声を重ね合わせた。
 
 教室に近づいた時。

 1-Aの右隣には空き教室が一つある。

 ............左隣には1-Bだけど。