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「.........2人から、見て......右が......大空って書いて、大空くん。左が、翼に皐月の皐で......翼皐くん」
昼食時。
奇打がそう口にした。
............は?
こいつ、何言ってんの............。
「......あ、ってる?」
ハッキリ言うと、あってた。
——あってる。
俺らを見分けられた奴なんて、いないぞ............?
い、いやきっとあてずっぽうだ。
そう思うのに............奇打を見ていると、そうは思えなかった。
隣に座っているさーを見る。
おかしい。
おかしすぎる。
なんなんだよ、こいつは............。
でも、それでも、俺らは、こっくりとうなずいてしまう。
「「......合ってる」」
「やった、じゃあさっそく名前で呼ぶね」
ふわり、と。
俺らが震えた声で言ったことは、気を使って口にしない。
こいつは、本当に、——。
微笑んでそういった奇打に、俺らはますます訳が分からない。
「「え......」」