◆

 
「.........2人から、見て......右が......大空って書いて、大空くん。左が、翼に皐月の皐で......翼皐くん」



 昼食時。

 奇打がそう口にした。

 ............は?

 こいつ、何言ってんの............。



「......あ、ってる?」



 ハッキリ言うと、あってた。

 ——あってる。

 俺らを見分けられた奴なんて、いないぞ............?

 い、いやきっとあてずっぽうだ。

 そう思うのに............奇打を見ていると、そうは思えなかった。

 隣に座っているさーを見る。

 おかしい。
 
 おかしすぎる。

 なんなんだよ、こいつは............。

 でも、それでも、俺らは、こっくりとうなずいてしまう。
 


「「......合ってる」」

「やった、じゃあさっそく名前で呼ぶね」


 
 ふわり、と。

 俺らが震えた声で言ったことは、気を使って口にしない。

 こいつは、本当に、——。

 微笑んでそういった奇打に、俺らはますます訳が分からない。



「「え......」」