「......俺の勝ち」

「っか、勝ちも何もなくない⁉ ていうか負けてないよ⁉」

「お疲れ、しっかり休んで現実を見ろ」

「負けてないってば! そもそも勝負してないし......」



 話しながら、教室に踏み込む。

 すると、



「......琉宇」

「はよーっす、心空!」

「......おはよう、心空」



 3人の声が聞こえた。

 

(ひかり)来夢(らいむ)時円(じん)、おはよーっ」

「............おはよ」



 私は琉宇と、3人に挨拶を返す。

 すると、沈黙。

 みんな無言になってしまった。

 ......え?

 あれ......?

 なんかやらかした、私?

 無言が続きすぎて、もう沈黙するしかなくなっちゃう。

 いつも明るい来夢まで無言のまま、固まってて動かないから、何を言えばいいのかわからない。



「......あーっと、えっとねー。し、宿題やってきた?」



 沈黙を破ろうと声を上げると、みんなが一斉に私を見た。

 また、沈黙。

 直後、みんなが笑い出した。



「宿題やってきたかって......っぷ、あははは」

「............っ」

「宿題......宿題......」



 ............おかしいこと言った?

 なにもおかしいこと言ってないよね、私。

 でもみんながあまりにも笑うから、そんなことは忘れて、私もつられて笑った。