「何やってんだ!!」

空の口から大声が出る。体は自然と動き、空は結月を強く抱き締めていた。決して死なせない。自殺などさせないと言わんばかりに強く抱き締める。

「命、命は一個しかないんだよ!ゲームみたいに何回も好きなタイミングで蘇られないんだよ!」

「そんなの、知っているわ!」

空の肩が濡れていく。鼻を啜る音が聞こえ、結月が泣いているのだと気付いた。途端に胸が熱くなっていく。空自身も泣きたいと思ってしまった。

「だけど、もう嫌なの。生きていたくないの。誰も信用できないし、私が生きる価値なんてない!私がいてもいなくても何も変わらないでしょ?私なんて存在しない方がいい。生まれて来なきゃよかったのよ!」

言葉が空の心に突き刺さる。苦しく、悲しく、とても辛い。結月の心と共鳴したかのように痛みを感じる。空の頬も涙で濡れていく。何故こんなにも苦しくのか、今になってその答えがわかった。

「馬鹿!結月さんの大馬鹿!結月さんがいなくなるなんて、僕は嫌だ!」