日が経つにつれ、俺はどんどんエルビナに嵌まっていった。



 彼女は本当に愛らしく、一緒に居ると癒される。花のような甘い香りに鈴のような声音。羽が生えているのでは? と思う程小さく、軽やかな身体。ついつい触れたくなるし、甘やかしたくなる。

 女性というのは、こんなにも柔らかく温かい生き物なのか――――彼女を胸に閉じ込める度に、そんなことを考える。絹のように滑らかな髪を撫でながら、額に唇を押し当てながら、エルビナの甘さを堪能する。





「ジェイデン様」





 擦り寄られ、名前を呼ばれるだけで、俺の心は熱く震えた。彼女に名前を呼ばれる唯一の存在になりたい――――そんな風に思う程に。





(兄上はどうして、彼女を大切にしなかったんだろう?)





 俺にはエルビナを手放すなんて考えられない。