海聖くんに勝てる気はしないけど…。 「じゃあ私が勝ったら?」 「凜ちゃんが勝ったら、俺が凜ちゃんの言うこと聞く」 「いいのかなー。あんなことやこんなこと、お願いしちゃうかもなー」 「なにそれ」 そう言いながら笑った海聖くんは、いつもの笑顔に戻っていた。 私が海聖くんに勝てるなんてこれっぽっちも思っていない。 でも海聖くんが勝ったら、昨日言ってた事を教えてくれるから、それでいいと思った。