表彰が終わって帰る準備をしていると、窓の外をぼーっと眺めている海聖くんを見つけた。 私は彼にそっと近寄った。 「負けちゃったね」 「凜(りん)ちゃん…」 「大丈夫?」 「やっぱり悔しいよ…」 「相手は優勝常連高だよ?そんな相手と接戦だったんだから、海聖くんはすごいよ」 「でもあと少しだったのに。悔しい」 海聖くんの横顔が本当に悔しそうで、切なくなる。