沈黙が流れた。
もうだれも話をしようとはしなかった。
各々が各々の考えを巡らせるなか、わたしのスマホが通知を知らせた。
差出人は母だった。、
【まだ終わらない?】
返信をする間もなく立て続けにメッセージが送られてくる。
【なるべくはやく帰ってきて】
【街が壊れ始めた】
そのとき、建物の外側から地響きのような低くて大きな音が鳴り、世界を大きく震わせた。
電線が切れたのか、電気が消え、暖房が切れ、突然のことにパニックになる同窓会たち。
この状況で外に出るのは危険だろうか。
だけど、じっとしちゃいられない。
「ごめん、わたし抜けるね」
それだけを言い残して、わたしは会場を飛び出した。