ついに世界が崩壊しはじめた。
視界が歪み、宙に放り出され、わたしたちは夜空を旋回していた。
キミとは繋がったままだった。
離れないように、ぎゅっと手のひらを握りしめ、そして抱きついた。
「くるしいね、」
酸素が薄くなり、更に風が強くなって、まるで呼吸の仕方を忘れてしまったかのように、体が言うことを聞かない。
急激に気温が下がり、体に力が入らなくなってきたけど、それでも必死にしがみついた。
「・・・泣いて、るの?」
これまで泣き顔を見せてくれたことのなかったキミが、世界の終わりに初めて、泣いてくれた。