外観は私たちの借りているコテージと全く同じ。内装も多少の違いはあるが、どちらも広いことに大差なかった。
主に食卓を囲むための白い大きなダイニングテーブルには、いくつかの資料やデザイン写真が並べられている。席に着くなりそれらを手に、早速集められたというスタッフの人たち総勢十五名の代表とコレクションの打ち合わせ。そんな伊織たちを、私はその場で傍観するよう見ていた。
そんな中、気になったのは『聚楽──Juraku──』のアシスタントの存在。
「高村千知のアシスタントをさせていただいております、織部と申します」
「『COLORS』の榊と申します」
「向上と申します」
「イベントスタッフの鳴海です」
それぞれが名刺交換をしつつ挨拶を交わす。しかし、アルバイトに名刺はない。私はただ会釈するのみ。名乗ることさえしなかった。どうせ、勝手知ったる間柄だ。今更自己紹介などむず痒くてやってられないから、軽く会釈するだけに留まった。
すると────「彼女は今回アルバイトで入って貰った『つまみ細工職人』の伏見です」と透吾。私が何の反応も示さないものだから代わりに紹介してくれる。要らん気を回さんでいい! と心の中で呟きつつ、実際のところ張り付けたような笑顔を作るので精一杯だった。
主に食卓を囲むための白い大きなダイニングテーブルには、いくつかの資料やデザイン写真が並べられている。席に着くなりそれらを手に、早速集められたというスタッフの人たち総勢十五名の代表とコレクションの打ち合わせ。そんな伊織たちを、私はその場で傍観するよう見ていた。
そんな中、気になったのは『聚楽──Juraku──』のアシスタントの存在。
「高村千知のアシスタントをさせていただいております、織部と申します」
「『COLORS』の榊と申します」
「向上と申します」
「イベントスタッフの鳴海です」
それぞれが名刺交換をしつつ挨拶を交わす。しかし、アルバイトに名刺はない。私はただ会釈するのみ。名乗ることさえしなかった。どうせ、勝手知ったる間柄だ。今更自己紹介などむず痒くてやってられないから、軽く会釈するだけに留まった。
すると────「彼女は今回アルバイトで入って貰った『つまみ細工職人』の伏見です」と透吾。私が何の反応も示さないものだから代わりに紹介してくれる。要らん気を回さんでいい! と心の中で呟きつつ、実際のところ張り付けたような笑顔を作るので精一杯だった。