高村千知────職業デザイナー。同い年のイケメンで引くほどモテる男。
だからと言って、私たちの間に恋愛感情はない⋯⋯はずだった。
あるのは友情だけ。
きっとそう思っているのは私だけだろう。
触れられる距離にいるのに、この想いはずっと平行線のまま。
いつの日からか?
私には近くて遠い、そんな存在となっていた。
「ため息つきすぎ」
窓ガラスに微かに映る情けない自分自身の姿。何をするでもなくぼんやりと眺めていた私に、どうしたの? と声が飛んできた。凡そ心配などしてないであろうその雰囲気に「色々玉砕だ」と項垂れる。休日の人気カフェは満員御礼。そんな店内の片隅で親友、柿沼碧子と向き合う窓際の席で、喧騒に紛れていた。
私の憂鬱の理由────それは、千知と彼の同僚であり私たちの共通の友人でもある織部紗帆との『恋の噂』。耳にしたのは最近のこと。先入観からか? その噂を聞いてからというもの、傍から見ていても特別な関係に見えてくる二人に、この胸はどうしようもなくザワついていた。
だからと言って、私たちの間に恋愛感情はない⋯⋯はずだった。
あるのは友情だけ。
きっとそう思っているのは私だけだろう。
触れられる距離にいるのに、この想いはずっと平行線のまま。
いつの日からか?
私には近くて遠い、そんな存在となっていた。
「ため息つきすぎ」
窓ガラスに微かに映る情けない自分自身の姿。何をするでもなくぼんやりと眺めていた私に、どうしたの? と声が飛んできた。凡そ心配などしてないであろうその雰囲気に「色々玉砕だ」と項垂れる。休日の人気カフェは満員御礼。そんな店内の片隅で親友、柿沼碧子と向き合う窓際の席で、喧騒に紛れていた。
私の憂鬱の理由────それは、千知と彼の同僚であり私たちの共通の友人でもある織部紗帆との『恋の噂』。耳にしたのは最近のこと。先入観からか? その噂を聞いてからというもの、傍から見ていても特別な関係に見えてくる二人に、この胸はどうしようもなくザワついていた。