最近染め直したというセミロングの栗色。その巻き髪の枝毛を気にしながら、碧子は「何遠慮してんの?」と怪しげに笑う。確かに深いと言えるほど長い付き合いではないが、気心知れた友人関係には変わりない。そこに男女の違いはあれど、遠慮など碧子との関係同様、伊織と私の間にも皆無なはずだった。
「別に、何も遠慮してるわけじゃないけども、話題にも出なかったらさぁ⋯⋯こっちからわざわざ聞くのも気が引けない? 関係ないでしょ、ってあしらわれて終わりよ」
「まさか⋯⋯妬いてんの?」
「何でそうなるの? 私は年下に興味はございません! 恋愛対象外でございます。そうじゃなくて⋯⋯」
必死になればなるほど、疑惑は真実味を帯びてしまいそうで。これ以上自ら墓穴を掘ってしまっては本末転倒だと、それ以上弁解するのをやめた。
「でもさ、あんたはいいよね」
先の読めない一言に、「何が?」と返すのは常套句。そんな彼女を見遣れば、いつもイイ男ばかりに囲まれていてズルいと一人で勝手に不貞腐れている。何を言っているんだとこちらが呆れれば、そっちの感覚がおかしいんだと頬杖をついていた。
「まぁ確かに、ヤツら揃いも揃って顔だけはいい。それは認める。けど、それだけでしょ? 彼らがいるからって、私が何か得してると思う?」
「別に、何も遠慮してるわけじゃないけども、話題にも出なかったらさぁ⋯⋯こっちからわざわざ聞くのも気が引けない? 関係ないでしょ、ってあしらわれて終わりよ」
「まさか⋯⋯妬いてんの?」
「何でそうなるの? 私は年下に興味はございません! 恋愛対象外でございます。そうじゃなくて⋯⋯」
必死になればなるほど、疑惑は真実味を帯びてしまいそうで。これ以上自ら墓穴を掘ってしまっては本末転倒だと、それ以上弁解するのをやめた。
「でもさ、あんたはいいよね」
先の読めない一言に、「何が?」と返すのは常套句。そんな彼女を見遣れば、いつもイイ男ばかりに囲まれていてズルいと一人で勝手に不貞腐れている。何を言っているんだとこちらが呆れれば、そっちの感覚がおかしいんだと頬杖をついていた。
「まぁ確かに、ヤツら揃いも揃って顔だけはいい。それは認める。けど、それだけでしょ? 彼らがいるからって、私が何か得してると思う?」