「…さん、、」

遠くから誰かの声が聞こえる


落ち着く少し低めの声


「さん、、き、て、、いおりさん、起きて」

段々ハッキリと聞こえてくる


「いおりくん?…っ、、」

起き上がろうとすると、頭がズキズキと痛む


「いおりさん大丈夫?」


「…ちょっと頭痛い、、」


「飲みすぎ」


「…ごめんなさい」


「薬ある?」


「薬置いてるところにあると思う」


「ちょっと待ってて」

御影くんの後ろ姿を見つめながら、年上なのに情けない気持ちになる


「はい、薬。飲めそう?」

そう言って、二日酔いの薬と水を渡してくれる


「うん。ありがとう」


「俺もう学校行くけど大丈夫?無理なら俺も休むけど?」


「そ、それは申し訳ないよ。大丈夫だから。朝ご飯と、お弁当ごめんね、、」


「俺の事はいいから、でも飲みすぎはダメ。後、これから夜遅くなる時は迎え行くから」


「うっ、気をつける…だけど、高校生に夜迎え来させるのは私が心配だよ」


「はぁ、、いおりさんの方が危ないから。それに、いおりさんは俺を年下扱いし過ぎなんだよ。遅くなる時は絶対行くから、、じゃあ、行ってくる」

私が返事する前に学校へと行ってしまう


「はぁ…」


御影くんに迷惑かけて…やらかしちゃった…



昨日真嶋先輩と仲良く話してた後の記憶が一切ない



久しぶりに飲んだから、お酒の調節ができなかった



それに、どうやって帰ってきたんだろう?



携帯を見ると真嶋先輩とななからメールが来ている


『いおりちゃん大丈夫?』

真嶋先輩にも迷惑かけちゃったかな?そんなことを思いながら、ななのメールを開く



『いおり潰れてから真嶋先輩に預けたけど、大丈夫だった?真嶋先輩優しいから何も無いとは思うけど』


思いっきり迷惑をかけてしまっている


『昨日は酔いつぶれてしまいすみません。送って頂いたみたいで、本当にありがとうございます。今度何かお礼をさせてください』


急いで真嶋先輩へメールを送る


「大丈夫だから、気にしないで。」


真嶋先輩からの返事


次会う時に何かお礼しようと思い、ありがとうございます。とだけメールを返す


大学に行こうと立つが、頭痛と気だるさで立っていられず、講義は休むことにした


大学に連絡を入れた後に気づいた


携帯の着信履歴が御影くんの名前で埋まっている


日付は昨日の夜…私が酔いつぶれていた時だ



もう1回ちゃんとお礼を言おうと思い、眠りについた