「…ふーん?」
そう言うクウマの雰囲気が、なんだかいつもと少し違うような気がして。
思わずクウマの横顔を見つめてしまった私に、クウマが取り繕ったような笑みを向けた。
「だって女のコってなんだかんだ、自分より料理うまい男ってひくじゃん?」
「はぁ?何それ?そんなわけないよ、料理男子超最高!!!」
スプーンを力強く突き上げた私に、フハッと吹き出すクウマ。
「ははっ、そんな喜んでくれるなら作ってよかったぁ〜。料理ケッコー好きなんだけど、最近全然作ってなかったから」
また作ってあげよっか?というクウマの言葉に、反射的に頷いていた。
あ、やばい、つい…胃袋の力って恐ろしい!
焦る私とは対照的に、満足げな笑みを浮かべたクウマは、私のほっぺを人差し指でつん、と突いた。
「はは、かーわい♪素直でよろしい」
こうして私はこの日…
エロサイコパスに、完全につかまれてしまったのだった。胃袋を。