「やっ、ん、ひゃぁっ…」
クウマの手が私の体をなぞるたび、体中の奥から何かがせりあがってくるような、感覚。
「なに、これっ…きゃっ」
クウマの手が、私のトップスの裾から侵入して、キャミの上から胸を撫でた。
「あっ…」
「はは…やばいな、思ったより…」
クウマの声が、ちょっとだけ掠れてる。
「思ったより…ハマりそう」
「っん、」
クウマの親指が、私の下唇に優しく触れて。
熱を持った瞳と、目が合った…気がした。
どうしよう、吸い込まれ、そう―――まるで自分が自分でなくなるみたいな―――…
「オネーサン、焼肉食べた?」
「………、は?」
まるで夢から現実に、突然、強制的に連れ戻されたかのような。目が醒めた感覚がした。
「いやー、オネーサンの口からすっげえいい匂いすんだもんー。思わず引き寄せられちゃった~」
そしてその証言を証明するかのように、グウウ、とタイミングよく鳴るクウマのお腹…。
「っふっっざけんなこの犯罪者ぁあああ!!!」
「痛っ!?」
私は勢いよく体を起こし、クウマの顎に渾身の頭突きをお見舞いした。