「え、ぁごめんなさい!!」

目の前にいるのは明らかにヤバそうな雰囲気を纏っている男の子。

少し色が抜けた金髪にガッツリ開いた胸元。切れ長の虎みたいな目が私を鋭く射抜いてる。これぞヤンキーですって言わんばかりの格好だった。

「……何組」

「えっ?」

「何組」

威嚇するような低い声に思わずたじろいだ。周りの人たちも

『何あの子、絡まれてるよ……?』

『え、やだ怖いヤンキー?』

『彼奴、巷では有名な不良らしいぜ』

『うわ怖ぁ……』

とこそこそ話している。有名な不良サンは私が怯えてるのを見てから舌打ちをした。

「チッ……」

「ひぇ、……わ、私はB組、デス」

「……Bね」

その瞬間不良サンの目つきが変わった。も、もしや同じクラス……とか?

「隣。」

「え、……」

「良かったな」

そ、それはどういう意味ですか……!?
私が聞くよりも先に彼はポケットに手を突っ込んで歩いていってしまった。