爽やかな春の訪れを知らせる鳥の声。
カーテンの隙間から零れ出た光に目を覚ました。
「…っふあぁあ」
今日から私は夢にまで見た華のJK生活を送るのだ。寝坊なんて以ての外!
「………昨日調子に乗って夜更かししちゃったから眠いやぁ〜」
さっきから欠伸が止まらない。
『綾瀬真生』
私の名前が書かれたリュックを手に取ってまじまじと見る。
この日の為に買ったお気に入りの黒いリュック。白い猫ちゃんが施されていて一目で購入してしまった。これっていわゆる一目惚れってやつかな?
「すんすん……いい匂い。」
私はトーストのいい匂いに吸い寄せられるようにリビングへと足を運んだ。