でも、どんなに好きでも憧れても、私なんて先輩の何十何百人といるファンの中の1人に過ぎない。

先輩に名前さえ知られていない。

話をした事もない。

気持ちを伝えるなんてもってのほか。

自分の立場をわきまえなければならない。

たとえ自分の気持ちを伝えられなくても名前を知られなくても、私は葉月先輩の事が好き。

それでもいい。

そうして何も変わらないまま月日は流れ、私は2年生になり、とうとう先輩が卒業する時期が迫ってきてしまった。