驚いた。

こんな若者が記憶屋をやっているなんて。

もっと大人の人がやっているもんだと、勝手に決めつけていた。

でも、歳が近いせいか親近感を覚えた。

「早速ですが、本題に入ります」

「はい」

彼は間髪入れずに本題に入ると言ってきた。

あまり余計な事は話したがらないようだ。

それから僕は先輩の中の僕の記憶を消して欲しいと彼にお願いした。

でも、彼は本人の了承がなければ依頼は受けられないと言ってきた。

愕然とした。

先輩が記憶を消してもいいとは言う訳はない。