翌日…

夜の11時になった。

記憶屋との約束の時間だ。

トントンっ…

「どうぞ」

「こんばんは、記憶屋の風間です」

枕元の明かりしか点いていないので顔はよく見えないけど、声の印象からしてまだ若そうな感じだった。

僕はベッドで上半身を起こして彼を出迎えた。

僕のもとにやって来た彼は高校のブレザー姿の若者だった。

年齢は僕と変わらないように見える。