トントンっ…

「どうぞ」

ガラガラガラ…

「ハッピバースデートゥーユー♫」

先輩が来る頃を見計らって、部屋を暗くしておいた。

そして、ケーキにさした17本のロウソクに火を灯した。

「ハッピバースデートゥーユー♫ 先輩、お誕生日おめでとう」

「うそ…」

先輩は口を押さえながら、少しずつ僕のもとに歩み寄って来た。

「先輩、ローソクの火を消して下さい」

「どうして?」

「いいから消して下さい」

「フゥ~」

「先輩、おめでとう」

「あっ‥ありがとう」

先輩の目からは大量の涙が溢れていた。