僕は風間。

記憶屋だ。

記憶屋という会社の代行者だ。

説明するとややこしくなるので、簡単に記憶屋と言っている。

記憶屋の運営者は誰なのかはわからない。

たぶん会っているはずだ。

会っているけど、その記憶はきっと消されている。

記憶屋は僕を含め数人いるらしい。

仲間にも会った事はない。

誰が記憶屋かとも知らされていない。

依頼があった人物の記憶を消してあげる仕事をしている。

正しく言うと記憶を一時的に取り出し、手のひらにのる小さな木箱【記憶箱】に封印する。

記憶屋は世間一般には知られていない。

都市伝説や噂程度にしか知られていない。