「どうしてここに? 記憶が?」

「ずっと部活に出てなかったでしょ? 高校を卒業しちゃったけど気になってたの。まさか病院に入院してるなんて知らなかった」

「記憶が戻った訳じゃないんですね?」

彼は体を起こそうとベッドの手すりを必死に掴んでいた。

「横になってなきゃ駄目でしょ」

私はそう言って、彼をベッドに寝かした。

「何しにここへ?」

「友達から相良くんが病院に入院してるって聞いたから…嫌だった?」