2月5日…夜の11時。

トントンっ…

「はっ‥はい」

中に入って来たのは意外にも記憶屋の風間さんだった。

「こんばんは。記憶屋の風間です」

「はい」

「あなたの依頼を完了しました。平野美咲さんの中のあなたの記憶を一時的ではありますが消しました」

「ほっ‥本当ですか? ありがとうございます。でも、先輩は記憶を消してもいいって言ったんですか?」

「いいえ、断られました」