うっ...さっきから周りの目が気になる...
メイクも何もしてないし、髪ボサボサだし...ちゃんとスマホ充電しておけば良かった...最初から悪目立ちとか最悪...
起きれなかったことを後悔している私を見ながら、横に居る真桜がからかうように話しかけてくる。

「さすがみやびさん。初日からモテモテですねぇ 高校でもたくさん告白されそう」
「やめてよ... 私がひどい姿してるからみんな見てるんだよ。それに高校で誰とも付き合うつもりないから」
「え〜。せっかくかわいいのにもったいないよ」
「恋愛なんて、そんなに楽しくないって知ってるし」

私は中学生の頃1度だけ彼氏がいた事がある。その時は、私が空回りしすぎて上手く付き合うことが出来なかった。それに相手にからかわれていたのだろう。私の話を誇張してクラスのネタにされてるのを聞いてすぐに別れた。
そのことがあってからは恋愛から距離を置いている。

「あれは完全に相手が悪かったけど... でもっ!」
「心配してくれてありがとう。この話は終わりにしよ。ほら、入学式始まるみたいだよ!」

周りの人がぞろぞろと講堂へ向かい出しだす。真桜は納得して無さそうだが、周りに遅れないように私達も歩きだした。