父が昔から、私のことを目にかけてくれていたのは私自身、よくわかっていた。
「フローラは、本当に優秀だな!私も鼻が高いぞ」
と、小さい頃からよく褒めてくれていたし、私自身父から褒められるのが嬉しくて、勉強やら剣術やらその辺の男子に負けないくらい磨いてきた。
だから、その頃からなんとなく、このまま、男の子が生まれなければ、私がキャンベル家を継ぐのかなと、漠然と考えていた。
それに、別に今のご時世、女侯爵や女男爵なんていう方も見かけるし問題はないだろうと。
しかし。
「フローラが男の子だったら、私も安心して跡を任せられるのだが…」
お父様がお母様とそんな話しているのをたまたま耳にしてしまったのが数年前。
「あなた、フローラは優秀だし、最近では女当主なんていう方もいらっしゃるわ。私は、フローラが当主でも問題ないと思うけれど…?」