まさに、この状況は一触即発って言葉が合うんじゃないか。


「和田、謝りに来たんじゃないのかよ」


星野くんが呆れ気味に呟くけれど、和田くんは聞こえてないとばかりにわたしを睨みながら大きくため息をつく。


「あんなところにいたお前が悪いから。おれは悪くねぇからな」


すぐに飛び出してきた言葉に、さすがのわたしも堪忍袋の緒がぷつりと切れた。


「あ、そうですか、申し訳ございませんね、以後このようなことがないように気をつけますね!」


自然と大きくなってしまった声で言うと、教室の扉に手を掛ける


「星野くん、わざわざ来てくれてありがとう。あの、ごめんね、ちょっとだけ耳塞いでてね」


不思議そうにしながらも、言われた通り耳を塞いだ星野くんには笑顔で、怪訝そうにしている和田くんは睨み付けてから教室の扉をバタン!と、勢いよく閉めた。

扉についてるガラスが割れたらどうしようとか思ってたけど

案外、丈夫にできててそんな心配は要らなかった。


というか、そもそもわたしなんかの力ではガラスはびくともしなかった


ふぅ、と息を吐き出してから振り返れば、景ちゃんと海は爆笑して、他のみんなは苦笑いを浮かべていた