「“王蝶”は皆のもんだから。

 そうがっつくと他のメンバーに殺されるぞ」

由宇は、有功を止めてんのか止めてないのか、変な忠告をする。

「えっ」

皆のものって何!?

私は公共物じゃないんだぞ!?

酷い扱い方に、心の中で突っ込む。

しかし、由宇の忠告に有功は、顔を青くしていた。

効果バッチリだね。

「…ま、まさか、他の3校も“王蝶”様を
 狙ってるんですか?」

「…まぁ、ウグイスがどうかは知らねぇけど、そうなるな」

「…競争率エグすぎません?」

…何話してるのかは分かんないけど、とにかく有功の勢いが落ち着いたことに安心。

グイグイ来られると引くタイプなんですよね。

しばらく、赤城トップ2の会話が続いた。

終わったか、と思ったのも束の間。

至近距離にいた由宇が、私の頭を撫でで言った。

「俺からしたら、誰を好きでも関係ねぇけどな」

『…はい??』