花咲音さんと付き合っていたけれど、そこに恋愛感情はなかったこと。



教師になることのきっかけが花咲音さんの言葉であって、全てではないということ。



他にもいろいろ話してくれた。



「昨日ちゃんと花咲音に謝って、言いたいことを全部言えたよ。後ろめたいことが何一つない状態で、なずなと話したかったから」



「っ…それは先生が勝手に決めたことでしょ」



「うん。そうだね。でも…どうしてもなずなに伝えたかった」



少しだけ腕を緩めると、私を真正面から見つめる。



その瞳には、多分真っ赤な顔をした私が映り込んでいて。