「アリバイは?」

「......ありばい」



刑事のようなことを聞いてくる志亜(しあ)。どうした、何があった。



「アリバイは、なし......と」

「そのぅ......」

「はい挙手。なに?」

「これはいったい......?」

「決まってるわよ。裁判、ならぬ事情聴取」

「でも......」

「なに?」

「............何でもないです、」



なぜか裁判、ならぬ事情聴取とやらに駆り出されている私は、これ以上何も言えずに口をつぐんでしまった。

......なぜ私、事情聴取にかけられているのでしょうか?



「なんで事情聴取やってるの......?」

「......あのねえ、」



志亜があきれた声を出した。

輝星(こうせい)が口を開く。



「まあまあ、落ち着けよ。んなことしたって、意味わかんねーよ」

「あのねえ、分かってないだろうけど、」

「分かってないだろうけど、ってわかってないこと前提で話してないか?」

「女子の嫉妬は怖いのよ?」

「無視すんな」



仲良しだなあ......。



「二人って、仲良しだよね」

「「仲良しじゃない!!」」



ふふ、やっぱり仲良しだ。
そうだよ。声がかぶったもん。

にこにこと見守っていると、志亜が息をついた。