頭をタオルで拭きながら、
ソファで伊吹くんがお風呂から出てくるのを待つ。



テレビの横の壁には、グループのメンバーと撮った写真や
ライブ・イベントでの写真とか今までの思い出が飾られていた。




「とっても良い笑顔してる。」



普段の伊吹くんも大好きだけど、
アイドルしてる時の伊吹くんは、また普段と全然違ってて
キラキラしてて好き。



恥ずかしながら付き合うようになってから、BLACK TUFTのことが街中でもテレビからも目に入るようになったのだけど、

パフォーマンスを見ていると、いつのまにか自分が彼女だって
ことを忘れてグループの世界観に飲み込まれてしまう。



飾られている写真に夢中になっていると、


「凛花さん、髪。乾かしてあげる。」


と、いつのまにかドライヤーを持った伊吹くんがリビングにいた。



ソファの下に座って後ろからドライヤーをあててもらう。



伊吹くんの大きい手が髪を梳かすたびに
気持ち良くて寝落ちしそうになる。



「ねぇ、.........使った〜?」



「え?何??聞こえない!」



「今日、俺のシャンプー使った?」



大きめの声で繰り返してくれる。



「使わせてもらったよ!」



「嘘?何か匂い俺と違うんだよな〜」

って言うから、
「え、何?臭い?嗅がないでよ!」
と、慌ててソファに座る伊吹くんを見上げると、



「めちゃくちゃ良い匂い。」


そう言って伊吹くんは見上げる私の
唇にキスをした。