〜*伊吹side*〜


自分の気持ちをちゃんと伝えると心に誓ってから
俺はすぐ咲さんに連絡をとった。


凛花さんに会わせてほしいと。


咲さんは"凛花の気持ちを確かめてからなら"と
しぶしぶ了承してくれた。


今日はやっと、
夕方からオフをもらえる日
行きつけの個室のある店を咲さんに伝えて
予約をとってもらった。


昨日からずっと、
凛花さんに何て伝えようか
考えているけれど言いたいことがありすぎて
うまくまとまらない。


昼過ぎまでの仕事を終えて
咲さんのいるジムへ向かう。


「咲さん。今日は本当にありがとうございます。
俺の人生がかかってるんでどうかよろしくお願いしますっっ!!!」


「そんなこと言われると荷が重いわ〜そんなこと言うためにわざわざきたの?もう凛花と約束の時間だから行かなきゃなんだけど!!」


「ちゃんと凛花の本音聞き出してくるから待ってなさいよ!」


凛花さんとは大学時代からの友人だと聞いた。

俺らのグループはデビュー直前から、当時まだ入って間もなかった咲さんに食事管理兼筋トレのトレーナーとしてついてもらっていた。


年齢が近く、まだ右も左もわからないところから咲さんと一緒に頑張ってきたから心開いてるし、歳あんまり変わらないのに男前な性格でズバッと言ってくれる咲さんをグループみんな慕ってる。仕事の悩みも相談にのってくれる姉貴って感じだ。


まさか恋愛相談まですることになるとは思わなかったけど...好きな人と親友なんて知ったらこんな幸運なことはないわけで。



いつ呼ばれても良いように俺は咲さんと凛花さんのいる店に急いだ。