アクアとユニコーンの子ども……マリンも、人知れず襲撃事件で活躍してくれた。

ユニコーンに生命を還されたアスタークも、間もなく生まれてくる。

ユニコーンはいなくなっても、こうして生命は受け継がれていくんだ。





馬上で再びランスを振るう。

相手の盾を狙った一撃。ランスの穂先はそこにある突起を捉え、引っ掛けることに成功。手応えを感じて勢いよく引くと、そのまま相手は落馬した。

エストアール家の紋章をあしらった旗が上げられ、こちら側の勝利が宣言された。

(これで、2勝目……)

今回の馬上槍試合のトーナメントは勝ち抜き戦。一度でも負ければ後がなくなる。
総勢100人を超える従騎士が参加しているから、あちこちの会場で常に試合が行われていた。
今回の対戦相手は小柄で、落馬の方が早いと判断して素早く狙った。囮の動きに惑わされてくれた事が勝因として大きい。

(これで……人数はだいぶ減った。後1回勝てば優勝にかなり近づく)

とはいえ、やはり勝ち上がってきただけあり、対戦相手の実力も上がってくる。少なくともわたしより先輩の従騎士しかいないんだ。油断せず、気をしっかりと引き締めるべきだろう。