私の1日は、幼馴染を叩き起こすことから始まる。


あいつのために朝早く自分の支度をしてから、隣の立派なお屋敷に向かう。

私の幼馴染、市ヶ谷湊という人はいわゆるお金持ちの息子で。

幼い頃から英才教育を受けてきたのにも関わらず、私がいないと何も出来ないような甘えた男子になってしまっている。

それが私、月野和春花の一番の悩みである。


「おはようございます！湊を起こしに来ました」


インターホンを押して、中に入れてもらうとそこには大きなリビングで優雅にお茶を飲んでいる湊のお母さんがいた。


「あら春花ちゃん、いらっしゃい。今日もわざわざありがとうね。こんなにあの子のために頑張ってくれて、ぜひ春花ちゃんをお嫁に来て欲しいわ〜」

「あはは、冗談もほどほどにしてほしいです…」


おほほ、なんて冗談まじりに湊のお母さんは言うけど、私は断じて！湊なんて！嫌だ！