帰り、賢司さんは駐車場まで送ってくれて私達は手を振った。

久々に３人でお店の軽トラックに乗る。

「気をつけて帰るんだよ」

賢司さんが優しく言うと、そーちゃんも

「はい」

と笑って返事をした。



トラックが走り出すと春の穏やかな日差しが窓ガラスから入ってきて、気持ちがいい。

その陽気に、睦海はウトウトと眠り始めた。



「社長、夏までもつかな…」

そーちゃんの呟きが重たい。

「もってくれないと、嫌だ」

私が頬を膨らませるとそーちゃんは苦笑いをして、

「そうだな。もってもらわないと嫌だよな」

自分に言い聞かせるように呟いた。



そーちゃんにとって、今の状況は誰かに頼りたくても頼れない。

でも、みんなの前では弱音を吐けなくて。

私に見せた、わずかな弱さだった。



本当はもっと、頼って欲しいけれど…

それはそーちゃんのプライドが許さないか！