「大丈夫?」

さすがにしゃがみ込んで雪まみれの私を見て、そーちゃんは顔を覗き込む。



ニヤリ!!



ドサッ…



両手でかき集めた雪をそーちゃんの頭にたっぷりとかけた。

「…心配するんじゃ、なかった!!」

そーちゃんは両手で更に多くの雪をかき集めて私の頭からかける。

「私が雪だるまになるじゃない!!」

「雪だるまの真由も可愛いよー」

悪戯な笑みを浮かべるそーちゃん。

私は両手で雪を掴んでそーちゃんに投げ付ける。

「バカーぁ!!!」

立ち上がってそーちゃんの体を叩こうとしたのに。



肝心な所で…



転んだ。



「おいおい、大丈夫か?」

そーちゃんはしゃがみ込んで私の背中に腕を回して、抱き起こした。

そして、私の体に付いた雪を払い落としてくれる。

白い息が空に舞い上がり、白い雪が空から舞い降りる。

後ろの電柱に付けられた淡い光がそーちゃんの顔を照らし、それが思わずじっと見つめてしまうくらい、綺麗だった。



「…そろそろ、帰ろっか」

私を見つめるそーちゃんに私は頷く。

「あ…」

そーちゃんは公園にある時計を見て声を上げた。

「12時、過ぎたね」

ホントだ…



3年前の今頃も、確か雪が散らついていた。

そして今頃、拓海くんは車に追突された。

雪もそれ以降は苦手だった。

辛い過去だけど、でも、もう泣かない自分がここにいる。



「帰るよ、真由」

ボーっと空を見上げていた私の手をそーちゃんが握った。

私は笑ってそーちゃんを見つめた。