「やるねえ…」

チームに戻ると賢司さんは満足そうな笑みを浮かべていた。

そーちゃんも自分の走りに満足した様子で帰ってきた。



このSBの前にもGP250の予選があり、そこでもトップ、2位は祥太郎くん。



…すべての環境が整っているチームでもない。

特別、何かが優れている訳でもない。

ただ、ひたすら。

目の前にある課題を必死にこなしているだけ。

そーちゃんはそういう人だ。

私はそれをただ、見つめているしかないけれど。

一生懸命なそーちゃんを見ると、私も頑張らないと!!って思う。

きっと、ファンの人達もそーちゃんのライディングに憧れ、感動して、またその激しい走りを楽しみにサーキットへ来てくれていると思う。

それが、ライダーにとって、凄い励みになるから…



そーちゃんは私の姿を見つけると、ニッコリと笑った。