「祥太郎くん、お友達よ！」

その声に祥太郎くんは振り返って、満面の笑みを浮かべた。

「あ！！太一！！！美佳！！！」

嬉しそうに話をするのを見ると高校生だなって思う。

いい友達がいて、良かったよね。



「真由、親子３ショットを撮らせてよ」

ニコニコと、祥太郎くん達の様子を見ていると私の肩を突然叩いたかれんが言った。

マシンに跨がっているそーちゃんを見ると頷くのでピット内で賢司さんの話し相手をしている睦海を呼んだ。

そーちゃんは睦海を抱き上げてタンクの上に座らせた。

「きっと、いい記念になるよ」

吹田くんは笑ってシャッターを切った。

周りの人達も一斉にカメラを向けたので、一瞬、睦海がビクッ、としたけれど、泣かなかった。

ホッ…

これで泣かれたらどうしようかと…



「睦海、みんなに笑ってあげて…」



あ、そーちゃんが。

睦海にずっと話し掛けていたから泣かなかったのか。



そーちゃんが囁くと睦海は黙って頷く。



血は繋がってなくても。

間違いなく親子だなって思う。