GP250の予選は5位。

どうも。

至さんに呼ばれてからそーちゃんの様子がおかしかった。

「そーちゃん」

レーシングスーツの上だけを脱いだそーちゃんの腕をギュッ、と掴んだ。

「どうしたの?」

目をパチパチさせてそーちゃんは私を見つめる。

「大丈夫?」

その言葉にそーちゃんはプッ、と吹き出して

「それは俺の台詞だよ」

私の額を人差し指で突いた。



そう言うけれど。

SBの予選が始まる前。

そーちゃんはいつもよりうんと硬い表情でマシンに跨がっていた。

「そーちゃん、やっぱ今回はリタイアしよう」

至さんの言葉にチーム内は凍りつく。