次の日から家庭科室に通うことになったはいいんだけど、池田君の指導は紗枝以上にスパルタで、すでに心折れそうですぅぅ…



「はい、やり直し。もう一度最初から作り直して」


「…はぁーい…」


「その子供みたいな返事の仕方辞めてほしいんだけど」


「だってぇ…池田君スパルタ過ぎぃ。もっとこう〜…優しく?物事言ってくれるとこっちとしても頑張りやすいんだけど…」



恐る恐るそんなことを言ってみる。


本当ならもっと強気で言いたいところだけど、池田君の機嫌を損ねさせたら、チョコ作りは終わってしまう。


それだけはどうしても避けたい。



「だって彼方さん容量悪いんだもん。何回言っても同じ失敗するしさ」


「っ、それは申し訳なく思ってるよ?わたし、勉強も出来ないし、周りに助けてもらってばっかでさ…?だけど、そんなわたしのことを真留君は好きって言ってくれて……だからどうしてもチョコは成功させたいのっ!その為には池田君が必要なの!だから見捨てないで!?ね?」



池田君の腕をがっつり掴むと、一生のお願いの眼差しで見つめる。


こんなわたしだけど見捨てないでぇ!!


もっと頑張るから!家でも練習するから!!