「おじゃましまーす」

後ろから声がして、振り返った。

「ごめん、遅かったから心配になって…
勝手に上がっちゃってごめんね」

部屋を見回す有瀬さんを見て、
私は頭が真っ白になった。


「福ちゃんが
こういうの好きだったなんて
知らなかった!」

2次元アイドルやアニメのポスター、
フィギュアにアニメDVD、
大量の漫画…。

有瀬さんは驚いた様子で見つめている。


「出てってください…」
「どうしたの?見つかった?」
「出てってください!!!」

私が怒鳴ると、
有瀬さんが驚いた顔で、
何で?と言った。

「いいから出てって!!!」

有瀬さんはなにも言わず、
言う通りに出て行った。


私はしばらくその場で固まっていた。


オタクだってバレた…
もう嫌われた。