《うん。織田くんのことは何でも知りたい》
「何でも?」
《何でも!!》
だって、織田くんのことが好きだから。
「じゃあ、俺が狩野ちゃんのことどう思ってるかも?」
……ん?
織田くんが私をどう思ってるか?
どうして、急にそんなことを言い出したのだろう。
はっ……!まさかまた、私が面白いかどうかの話?
(織田くんの中の私=面白くはない)
さっき私がかっこつけてるって話をしたから、その仕返しだ。
そう思ったけれど私は《知りたい》と返す。
その気持ちは本当だから。
私が面白くないことなんて、百も承知だし。
だけど、織田くんから出た言葉は意外なものだった。
「俺は狩野ちゃんのこと、好きやと思ってるよ」
……えっ…………好き?
ポカーンと口を開ける私とは対象的に真面目な顔をする織田くん。
(あ、好きってもしかして友達として?)
それなら《私も》と答えた方が良いのだろうか?
私の好きは友達って意味じゃないけれど。
迷いながらペンを取ると、
「あ、先に言うとくけど、友達とちゃうで。付き合いたいって意味の好きやから」
織田くんがそう口にした。