「それで飴ちゃんはどうする?食う?」
(飴の話ってまだ続いてたの!?)
というか、私に対する反応はそれだけ……?
今でこそ何も言わなくなったクラスメイト達もはじめの頃は決まって、
「何が原因なの?」「辛いね」
そう口々にした。
「ていうか、貰ってくれると俺が助かるんやけど」
(不思議な人だ)
私はしまいかけていたメモに返事を書くと、織田くんの方へと向けた。
《じゃあ、いただきます。ありがとうございます》
「ほんま?やっとポケット軽なるわ。何味がええ?」
手当てを終えた織田くんは私が座っていたソファーの数十センチ先に腰を下ろすと、その間にポケットから取り出した飴を並べた。
「桃にりんご、こっちはぶどう。甘いのが好きやったらミルク系もあるで」
《桃をいただきます》
「ひとつでええの?」
ポケットパンパンって言ってたし、もう一つくらい貰ったほうがいいのかな?
《じゃあ、ミルクもいただきます》
「あ、てか何さん?俺は織田翔吾1組。あと俺ら同級生やし敬語はいらんで」
(オダショウゴくん……)