店を出ればぽつりぽつりと雨が降り出して、タイミングが悪いと思ったけどちょうど見慣れた翔太の車があたしの前に止まる。
「あ、ありがと」
助手席に乗って、礼を言っても翔太は何も話さなかった。
沈黙のまま気まずい車内は居心地が悪くてバッグを掻き抱いて翔太とは逆の窓をずっと眺めていた。
「し、翔太……家は……」
「俺さ、ま……俺ん家」
わざわざ言い直したことに驚いた。
俺、に変えてる……。
「なあ、真知。引っ越しすんのかよ」
「わ、からないわ」
キィ、
信号は赤。
止まった車体にあたしたちは思わず眼を向けた、そして逸らせない。
「俺ん家に来いよ、引っ越しすんなら」
「あ、ありがと」
助手席に乗って、礼を言っても翔太は何も話さなかった。
沈黙のまま気まずい車内は居心地が悪くてバッグを掻き抱いて翔太とは逆の窓をずっと眺めていた。
「し、翔太……家は……」
「俺さ、ま……俺ん家」
わざわざ言い直したことに驚いた。
俺、に変えてる……。
「なあ、真知。引っ越しすんのかよ」
「わ、からないわ」
キィ、
信号は赤。
止まった車体にあたしたちは思わず眼を向けた、そして逸らせない。
「俺ん家に来いよ、引っ越しすんなら」