このときにはあたしはこれがどういうものか、分かっていた。


見慣れたロゴが正面ステージの奥の電光で表示されていたから。



「翔太ってば不器用だわ……」



なんだか泣きそうになってきた。
ここにあるもの全て翔太の夢だったもので、それが全てあたしに由来するものだって分かったから。


そこで、急にステージを照らしていた白い電球が一斉に消えた。一緒に光を発するものがすべて消された。
闇に包まれる。





数秒ののちまた一斉に照らす。そしてスポットライトが正面中央、あたしの正面に当てられる。
ポージングを取った男女が立っていて、一斉にフラッシュがたかれる。

カシャカシャと会場全体がカメラ音に包まれてる。
そのなかでキャットウォーキングでランウェーを歩く。

背筋がピンと伸びて見惚れるくらい綺麗なモデルさんだった。