翔太の肩に頭を預けて目を閉じて全身で翔太を感じていたけどそれは唐突に破られた。

ノックの音に身体が反応してしまった。
ビクリと跳ねた肩は隣に座る翔太にも伝わっ苦笑する揺れさえもあたしに伝わってきた。


いいぞ、という声に開かれた扉から顔を出したのはさっきの彼女で。
そういえば迎えに来ると言っていた。

思い出せば、自分の今の状態も思い出して慌てて翔太から離れた。



「どうも、お邪魔だったみたいね。柏木くん」

「いや、」



翔太を見上げるとその言葉の後に部屋に掛けられた壁時計を見てよろしく頼むとあたしを彼女に預けて席を立った。



「真知、またあとでな」

「うん、えっと……がんば、って?」