控え室と張り紙が貼られた扉に向かってノックをすると部屋の中から返事が聞こえる。
今朝、離れてからそんなに時間は経っていないはずなのにとても懐かしく、そして恋しく聞こえた。
「柏木くん、幹彦くんが、」
「あぁ、全部言わなくてもいい。だいたいわかる。どうせ、ミキが喧嘩売ったんだろ?」
「そうです。ではどうぞ、香坂さん。時間になりましたらまた迎えに来ますね」
「……真知?何泣きそうになってんだよ」
ソファーに座ってた翔太が立ち上がってあたしを抱き寄せるからされるがままになっていた。
背後でドアが閉まった音がしたけど、今のあたしにはそれが都さんが退出した音だって事に結びつかない。
「ったく、ミキには世話が焼ける。あいつは自分の価値が分かってやがるから余計に質が悪い。ココアでも飲むか?」
この際だから、と胸に顔を埋めたまま首を振った。
今朝、離れてからそんなに時間は経っていないはずなのにとても懐かしく、そして恋しく聞こえた。
「柏木くん、幹彦くんが、」
「あぁ、全部言わなくてもいい。だいたいわかる。どうせ、ミキが喧嘩売ったんだろ?」
「そうです。ではどうぞ、香坂さん。時間になりましたらまた迎えに来ますね」
「……真知?何泣きそうになってんだよ」
ソファーに座ってた翔太が立ち上がってあたしを抱き寄せるからされるがままになっていた。
背後でドアが閉まった音がしたけど、今のあたしにはそれが都さんが退出した音だって事に結びつかない。
「ったく、ミキには世話が焼ける。あいつは自分の価値が分かってやがるから余計に質が悪い。ココアでも飲むか?」
この際だから、と胸に顔を埋めたまま首を振った。